ぽかんと口を開けたまま立ち尽くす私を、彼はおもしろいものでも見るような目で見下ろしている。
「よく逃げなかったなあ。これは、連れてきたシバケンを褒めてやるべきか」
「……シバケン?」
「あんたをここに連行して来たスタッフ。柴沼 健太郎(しばぬま けんたろう)だから、シバケンって呼んでんの」
私がかろうじてしぼり出したひとことに、あっさりした返答。
その後すぐ何かに気付いたらしい久我 尚人は、なぜか不満げに眉をひそめた。
「つーかさ、一応俺が招待したのに、なんで持ってるのがタケさんのグッズなのかね」
言いながら彼は、私が肩にかけっぱなしだったマフラータオルの端っこを軽くつまむ。
突然の接触に驚いてしまい、思わずさっと身を引いた。
あわてて肩からタオルを外し、バッグの中につっこむ。
「っべ、別に私、あなたの応援に来たわけじゃないし……っ」
「あーハイハイ。まあ、わかるよ。ハイタッチのときも、あんた相当悔しそうな顔してたしな」
そう言って、苦笑する彼。そんな表情でも絵になる端整な顔を、私はまじまじ見つめてしまう。
……今さら、だけど。
本物だ。本物の、久我 尚人選手が目の前にいる。
居酒屋のときはサングラスでほとんど顔隠れてたし……私にチケットを渡した後本人はさっさといなくなったから、あまり実感がなかった。
こうして見ると、ほんとに整った顔してる。スポーツ選手でこれって、もう奇跡レベルでしょ。
モデルさんみたいに小さい顔に、筋肉質な体つき。
くっきりした二重の瞳は切れ長で、形のいい眉と相まって凛々しい印象を受ける。
鼻筋だって通っているし、アスリートというよりも芸能人って言う方がしっくりくるような気がする。
「よく逃げなかったなあ。これは、連れてきたシバケンを褒めてやるべきか」
「……シバケン?」
「あんたをここに連行して来たスタッフ。柴沼 健太郎(しばぬま けんたろう)だから、シバケンって呼んでんの」
私がかろうじてしぼり出したひとことに、あっさりした返答。
その後すぐ何かに気付いたらしい久我 尚人は、なぜか不満げに眉をひそめた。
「つーかさ、一応俺が招待したのに、なんで持ってるのがタケさんのグッズなのかね」
言いながら彼は、私が肩にかけっぱなしだったマフラータオルの端っこを軽くつまむ。
突然の接触に驚いてしまい、思わずさっと身を引いた。
あわてて肩からタオルを外し、バッグの中につっこむ。
「っべ、別に私、あなたの応援に来たわけじゃないし……っ」
「あーハイハイ。まあ、わかるよ。ハイタッチのときも、あんた相当悔しそうな顔してたしな」
そう言って、苦笑する彼。そんな表情でも絵になる端整な顔を、私はまじまじ見つめてしまう。
……今さら、だけど。
本物だ。本物の、久我 尚人選手が目の前にいる。
居酒屋のときはサングラスでほとんど顔隠れてたし……私にチケットを渡した後本人はさっさといなくなったから、あまり実感がなかった。
こうして見ると、ほんとに整った顔してる。スポーツ選手でこれって、もう奇跡レベルでしょ。
モデルさんみたいに小さい顔に、筋肉質な体つき。
くっきりした二重の瞳は切れ長で、形のいい眉と相まって凛々しい印象を受ける。
鼻筋だって通っているし、アスリートというよりも芸能人って言う方がしっくりくるような気がする。



