「………」
すぐそばにあるキッチンカウンターに、さっき私から受け取ったばかりの紙袋を置く。
こちらを振り返る形で立っていた久我さんは完全に私と身体を向かい合わせ、苦笑とも言える笑みを浮かべた。
「……思い、出したんだな」
彼が落とした言葉に、黙ってうなずく。
そっか、と小さくつぶやいて、久我さんは自分の前髪をかき上げた。
「情けないな、俺。あのとき約束した女の子に、こんなかっこ悪い姿見られて」
「ッ、」
言葉より先に、勢い良くかぶりを振る。
「そんなの……っそんなこと、ないです。久我さんが情けないなんて、絶対にないです……っ」
「いや、違うな。俺はほんと、情けなくてダメなヤツだよ」
そう言って、久我さんがこちらに手を伸ばして来た。
私の頬を包むように触れ、親指が目元を撫でる。
「あのときも、今も……きみのことを、泣かせてばかりだ」
切なく顔を歪める彼の言葉で、ようやく自分が涙を流してしまっていることに気が付いた。
ぎゅっとまぶたを閉じて、ふるふる首を横に動かす。
「私……っ私の勝手なわがままのせいで、久我さんはご家族とケンカまでしてプロ野球選手を目指すしかなくなってしまって……ほ、ほんとに、ごめんなさ……っ」
「すみれが謝る必要なんてない。俺がこの場所を目指したのは、自分の意思だ」
強い口調で言われ、思わず目を開けた。
そこには予想外に穏やかな表情をした久我さんがいて、息を呑む。
すぐそばにあるキッチンカウンターに、さっき私から受け取ったばかりの紙袋を置く。
こちらを振り返る形で立っていた久我さんは完全に私と身体を向かい合わせ、苦笑とも言える笑みを浮かべた。
「……思い、出したんだな」
彼が落とした言葉に、黙ってうなずく。
そっか、と小さくつぶやいて、久我さんは自分の前髪をかき上げた。
「情けないな、俺。あのとき約束した女の子に、こんなかっこ悪い姿見られて」
「ッ、」
言葉より先に、勢い良くかぶりを振る。
「そんなの……っそんなこと、ないです。久我さんが情けないなんて、絶対にないです……っ」
「いや、違うな。俺はほんと、情けなくてダメなヤツだよ」
そう言って、久我さんがこちらに手を伸ばして来た。
私の頬を包むように触れ、親指が目元を撫でる。
「あのときも、今も……きみのことを、泣かせてばかりだ」
切なく顔を歪める彼の言葉で、ようやく自分が涙を流してしまっていることに気が付いた。
ぎゅっとまぶたを閉じて、ふるふる首を横に動かす。
「私……っ私の勝手なわがままのせいで、久我さんはご家族とケンカまでしてプロ野球選手を目指すしかなくなってしまって……ほ、ほんとに、ごめんなさ……っ」
「すみれが謝る必要なんてない。俺がこの場所を目指したのは、自分の意思だ」
強い口調で言われ、思わず目を開けた。
そこには予想外に穏やかな表情をした久我さんがいて、息を呑む。



