レーザービームの王子様

2回の裏、ウィングスの攻撃。

この回の先頭バッターは、今日5番に入っているらしい久我さんだ。

ヘルメットを被った彼が打席に立つと、テレビ画面には彼の名前や今シーズンの成績が表示される。

その中で、私はある情報に目を止めた。



「……え?」



思わず、声がもれる。

選手たちのその試合最初の打席時は、テレビ局にもよるけど通常時より細かいデータが出ることが多い。

たとえばその選手のプロフィールや特徴を捉えたキャッチコピー、それから過去の所属チームや出身校など。

そして私が気になったのは、久我さんの出身校が書かれた部分だ。


【宮ノ森高校~明慶大学】


……宮ノ森高校、って。お兄ちゃんが亡くなった当時通ってた、私立の野球名門校だ。

たしか久我さんは、今年27歳。学年で言ったら、お兄ちゃんのひとつ下のはずで。

だとしたら──ふたりは、同じ時期に野球部員だった?



「え? あれ……?」



予想もしなかった仮説に混乱して、私はひたいに片手をあてる。

もはや意識の外に行ってしまったテレビ画面の中、ソルジャーズピッチャーが投じた初球は、外角高めのボール球。

打席の久我さんはあっさりそれを見送って、カウント1ボールノーストライク。