自嘲的な笑みを浮かべ、久我さんが続ける。
「俺の親父、わりとデカい会社の社長でさ。忙しいのはわかってたけど……仕事ばかりしてて全然家庭を省みないタイプの人だったから、家族サービスなんてしてもらった記憶ないや」
「あ……」
そういえば、前にむっちゃんがネットの情報見て言ってた。
──『しかも久我選手って、父親がスター製薬の社長なんだって』。
あのときは、あまり気にしないで聞き流してた彼の背景。
久我さんはお父さんのこと、嫌ってるみたいに言うけど……もしかしてこのひと、さみしい思いを抱えながら子ども時代を過ごしたんじゃないかな。
そう思うと、きゅっと胸がしぼられる。
同時に、ひとつの疑問が浮かんで来た。
「あの……久我さんはお父さんから、会社を継いで欲しいって言われなかったんですか?」
私が問うと、久我さんが窓の外からこちらへと視線を戻した。
目が合った瞬間、さすがに踏み込みすぎかといたたまれなくなって、今度は私が視線をひざに落とす。
ふっと、彼が笑う気配がした。
「言われてたよ昔から。俺、長男だしな。だから、高校生の頃会社継がないでプロ野球選手になるって言ったときはめちゃくちゃ喧嘩した。今も親父とは仲悪いままだし」
「ええ……」
そんな、あっけらかんと……。
思わず顔を上げてみれば、やはり久我さんは口元に笑みを浮かべて飄々としている。
実の父親とそんな状態になったのに、よく諦めなかったなあ。
「俺の親父、わりとデカい会社の社長でさ。忙しいのはわかってたけど……仕事ばかりしてて全然家庭を省みないタイプの人だったから、家族サービスなんてしてもらった記憶ないや」
「あ……」
そういえば、前にむっちゃんがネットの情報見て言ってた。
──『しかも久我選手って、父親がスター製薬の社長なんだって』。
あのときは、あまり気にしないで聞き流してた彼の背景。
久我さんはお父さんのこと、嫌ってるみたいに言うけど……もしかしてこのひと、さみしい思いを抱えながら子ども時代を過ごしたんじゃないかな。
そう思うと、きゅっと胸がしぼられる。
同時に、ひとつの疑問が浮かんで来た。
「あの……久我さんはお父さんから、会社を継いで欲しいって言われなかったんですか?」
私が問うと、久我さんが窓の外からこちらへと視線を戻した。
目が合った瞬間、さすがに踏み込みすぎかといたたまれなくなって、今度は私が視線をひざに落とす。
ふっと、彼が笑う気配がした。
「言われてたよ昔から。俺、長男だしな。だから、高校生の頃会社継がないでプロ野球選手になるって言ったときはめちゃくちゃ喧嘩した。今も親父とは仲悪いままだし」
「ええ……」
そんな、あっけらかんと……。
思わず顔を上げてみれば、やはり久我さんは口元に笑みを浮かべて飄々としている。
実の父親とそんな状態になったのに、よく諦めなかったなあ。



