レーザービームの王子様

うつむく私の思考に気が付いたのだろうか。

ふっと笑みをこぼし、久我さんが顔を覗き込んで来た。



「ごめん、言い方悪かった。すみれとこうしてるのは、特別だよ」

「え、」

「……すみれは、特別」



ささやく彼のまっすぐな瞳に射抜かれて、心臓が大きく鳴る。


……とくべつ。私は、特別。

それって、どういう意味?


水族館でも、今も……どうせからかってるんでしょって、思うのに。

私を見つめる久我さんの瞳が甘いから、勘違いしそうになる。

だめだ。こんなの、だめだ。

私と久我さんじゃ、……つり合わないのに。


そのやさしい眼差しから逃れるように、パッと窓の方へ顔を背けた。



「え、えと、でも。彼女とじゃなくても、子どもの頃家族と遊園地に来たりしなかったんですか?」



久我さんの雰囲気に飲まれるのがこわくて、多少わざとらしく話を元に戻す。

けれどもその瞬間──すうっと彼は真顔になり、纏う空気までもが変わった気がした。

内心驚きながら、私はついまた久我さんへと視線を戻す。



「久我さん……?」

「……ないな。ガキの頃家族と一緒に遊びに出かけた記憶なんて、ほとんどない」



吐き捨てるように言って、彼は窓側に目を向けた。

でもその瞳は、外の景色を楽しんでいるようにも見えなくて。