レーザービームの王子様

「久我さんはともかく、一緒に遊園地デートした数いる歴代の彼女さんたちの中に『レーザービーム王子と観覧車乗りた~い♡』って方いたんじゃないんですか?」



私がそこかしこで使われている彼の呼び名を出すと、目の前の久我さんはものすごく嫌そうな顔をする。



「その『レーザービーム王子』っての寒いからヤメロ。ほんと誰が言い出したんだか……つーか、今のセリフ全体的に悪意を感じるんだけど」

「気のせいじゃないですか?」



どーせ今まで散々女をとっかえひっかえしてきたんだろ??という勝手な印象がつい声音に現れてしまっていたらしいけど、とりあえず今はすっとぼけておく。

久我さんは苦笑して、足を組み直した。



「遊園地で仲良くデートするような相手はいなかったかな。別に、外に出なくても用事はコト足りるし?」

「……さいってぇ……」

「自分から話振ってきたくせに」



つまり、健全におデートをするようなさわやかな付き合いはして来なかったと。はれんちなことができればそれでよかったと。

……なにそれクズだな!!



「仕方ないだろ。俺の生活の中心は野球だから、それ以外のことに時間割くのはあまり気が進まないんだ」



冷えきった私の眼差しをものともせず、久我さんが肩をすくめる。

生活の中心は野球だから、って。プロ意識が高いのは、さすがだなって思うけど。


……でも、あれ? それじゃあ。

それじゃあ今、私と一緒にいるのも。