「野乃、おっはよー!」

その声と共に、背中に衝撃が走る。

「いっ!たあ~……」

後ろからいきなり背中を叩かれ、涙目になりながら振り向いた。

「絢香!普通に挨拶してっていつも言ってるでしょ!」

田所絢香。

これまた幼稚園から一緒の、もう一人の幼なじみ。
付き合い的には、智史よりも絢香の方が長い。

背が高く、ショートカットが良く似合う、爽やかスポーツマン。

小学校前の頃からバレーをやっていて、今はバレー部のキャプテンを任されている。

そんなヤツに思いっきり叩かれたら、どんだけ痛いか!

「悪い悪い!」

ニシシッと笑いながら、隣を並んで歩き出す。