入学式

桜が満開に咲いていて、その花びらが制服に張り付いて新入生を彩る。

「高校生ってどんな感じ?」
「ん〜、楽しいよ?でも、楽しいこともあれば辛いこともある。全部思い出にできるよ、サツキなら。」

ちょっとかっこつけて、俺いいこと言ったとドヤるのはお隣の家の兄さん。
2つ上でこれから同じ高校に通う、先輩だ。

「ユウトは?もう遅刻しちゃ「お待たせごめん!昨日遅くまでゲームしててさぁ…」
「ユウトおっせーよ!サツキ、ずっと待ってたんだぞ」
「え、まじで?!昨日の夜先行ってていいからってcoov(クーヴ)送ったよね?!」

困り顔のユウト、ニヤニヤしてる兄さん
なんだそのニヤニヤは。

「最初は3人で行きたかったの!
って、言ったよね?」

ギクッと肩が跳ねたユウト。

「ほらほら2人とも、初日から遅刻する気?行くよ!」

そう言って目の前のバス停まで走り出した兄さんを見て2人で顔を合わせる。

「次遅れたら許さないから。」
「ごめんって〜、ゲームだけは譲れないからさ」

2人でプーっと吹き出して笑う

「遅刻したら、ユウトのせいね!
早く行こ?兄さんが待ってる」
「サツキは兄ちゃん好きだね、はいはい〜」

ユウトを軽く突く

「好きじゃないから、何言ってんの」

「2人とも〜!バス来るよ〜!はーやーくー!」

「「はいはーい!」」