「これ、お姉ちゃんにあげる」
今日、学園祭のステージの上でマイケルが勝ち取ったティアラ。
「え、いいよ。
マイケル、好きな子にあげなよ」
「好きな子なんていないよ。
最初からお姉ちゃんに渡すつもりだった」
「そうなの…?」
「うん」
「…私でいいの?」
「うん、もちろん」
「ありがとう」
「お姉ちゃんが、
世界で一番、
いちばん大好きだよ」
「…うん、ウソでもうれしい」
「うそじゃないよ」
“うそじゃないよ”
透き通るような蒼い瞳が、まるで助けを求めているかのようだった。
その瞳から、目が離せない。
「…でも僕、
お姉ちゃんを好きな気持ちと同じくらい、クリスのことが大好きだから、
二人には、幸せになって欲しい」
私は何も出来なかった。
マイケルはこんなに辛そうに、私に助けを求めているのに、
優しく諭すことも、手を差し伸べることも、何一つ。
無力だなぁ、と思った。
ただ黙ってマイケルの瞳の色を、
ランプの灯に揺れる蒼いその色を、ずっと見つめていた。

