さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*


「これ、お姉ちゃんにあげる」






今日、学園祭のステージの上でマイケルが勝ち取ったティアラ。










「え、いいよ。

マイケル、好きな子にあげなよ」










「好きな子なんていないよ。

最初からお姉ちゃんに渡すつもりだった」






「そうなの…?」






「うん」






「…私でいいの?」






「うん、もちろん」






「ありがとう」










「お姉ちゃんが、

世界で一番、

いちばん大好きだよ」










「…うん、ウソでもうれしい」










「うそじゃないよ」










“うそじゃないよ”






透き通るような蒼い瞳が、まるで助けを求めているかのようだった。






その瞳から、目が離せない。














「…でも僕、

お姉ちゃんを好きな気持ちと同じくらい、クリスのことが大好きだから、



二人には、幸せになって欲しい」














私は何も出来なかった。






マイケルはこんなに辛そうに、私に助けを求めているのに、






優しく諭すことも、手を差し伸べることも、何一つ。










無力だなぁ、と思った。








ただ黙ってマイケルの瞳の色を、



ランプの灯に揺れる蒼いその色を、ずっと見つめていた。