さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*


「クリス」






「ん?」






「いなくなったりしない?」









「…しないよ。

ずっとそばにいるって言ったじゃん」










「時々私、不安になるよ」






「…なんで?」






「…クリスの気持ちが、分からなくて」










チャドのようにいきなり、いなくなってしまいそうで。










「分からない?」






「…うん」










「…オレはいつも単純だよ。

好きだからそばにいる、



それだけだよ」










「そばにいて」






「ずっといるから」














固くて細い腰に腕を回して、胸にそっと耳を当てる。



一定のリズムで刻まれる鼓動が、自分のその音と重なっていくのが分かる。










手を伸ばしてさらさらとした髪の毛に指を通すと、



クリスは少し、眩しそうに目を細めた――――。


















一緒に堕ちたいと思った。



二人でこのまま、どこかへ消えてしまいたいとも。







ずっと二人でいられるのなら、何でも出来そうな気がすると、心から。










終わりなんて想像出来ない。



別れの場面なんて、考えたくもない。



最後のキスが永遠に、訪れなければいい。










このまま海の底に、二人で沈んでしまいたい。



誰からも傷つけられない場所で、ずっとこの胸に抱かれて甘やかされていたい。









だきしめてとかして



ずっとずっと、はなさないで














“いとしい”






熱を奪っていくクリスの体温を感じながら、







私はその言葉の意味を、考えていた。