さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*

1ヵ月前、

クリスの家のリビングでお互いの課題を片付けていたら、



点けっぱなしのTV画面にいきなりチャドが映った。










最初はただ、ペンを持つ手が二人で止まっただけだった。







似てる人もいるもんだなぁ、と思った。






次の瞬間に悲鳴を上げるほど二人で驚いて、課題を放り出した。










TV画面を抱えるように覗き込むと、どうやらチャドはアメリカで話題の天才少年として、紹介されているらしかった。










笑ってインタビューに答えるチャド。



変わらない穏やかな笑顔と、伸びた黒い前髪。







話す英語が少しだけ、アメリカ寄りの発音になっている。







終始謙遜しっぱなしの、慣れない話し方。














「…天才少年だって、おかしい」






感極まって泣き笑いする私の隣で、クリスもすごく興奮している。






「すごい、

あいつ何かいきなり有名になってる」






「あーもう、本当おかしい。

みんな見てるかな」






「…マイケル、絶対泣いてそう」





「泣いてるね、きっと」










「…変わってないなぁ」






「うん、ちょっとだけ、大人っぽくなった」






「うわ、なんかもう感動する。

いつの間に」






思わず強く握り締めていたクリスの腕を、少しずつ緩めていく。








「…チャド、笑ってるね」






「うん、

元気そうでよかった」














ほんの数分のインタビュー映像に私たちは泣いて笑って、

そのせいですっかり課題を仕上げることを忘れてしまった。