さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*

秋が深まってきたある日、

借りてきた戦争映画をクリスの家のリビングで見た後、

あまりの悲しいラストに私は大泣きしてしまった。






家中のハンカチをかき集めてきてくれたクリスが



「はい」



と私の目の前に、どさどさと山のようにそれを落としていく。








「気の済むまで泣きなよ」



と言い残してキッチンに紅茶を入れに行ったクリスの後に付いていって、

後ろからその背中を抱き締めた。









「クリスはあのラスト、悲しくなかったの?」






「別に…」






「えー、あれで泣けないなんて、おかしすぎるよ」






「あんな作り物では、泣けない」






「もー、いつもそうじゃつまんない」






「…泣けないもんは泣けないし」










「…チャドもいつも私みたいには泣かなかったけど、きちんと共感はしてくれたよ。

あのシーンとあの台詞は好きだなぁって」






「ふーん」






「あの映画見た時も、すごかったんだよ。

あんまり感動して、私すぐにサントラ買っちゃったもん」






「ふーん」






「それで、そのCDをチャドがね…」










チャドが…











…あ、まただ。



またやっちゃった。










気を付けてたつもりなのに、またチャドとの想い出、クリスに話しちゃった。










「ごめ、クリス…」






「いいよ」






「怒った…?」






「怒ってないよ。

なんで怒るのさ」






「だって…」










今好きなのはクリスなのに、

なんで私は上手くそれを伝えられないんだろう。