そろそろ夏休みが明ける頃だ。
8月、
寝る前に電話をしようとリビングに降りていくと、そこにはまだロバートがいた。
読書をしているロバートの背中が、ランプの影にぼんやりと光って見える。
「ロバート」
寂しげに見えた背中に声をかけると、
彼は少しだけ驚いた様子でゆっくりと振り向いた。
「カンナ、まだ起きてたのか」
「うん、ちょっと」
「電話か?」
「うん、クリスに」
「そうか、元気にしてるか」
「元気だよ。
また背が伸びたみたい」
「そうか」
微笑むロバートの、穏やかな瞳。
こうしてロバートと二人きりで話すのはいつぶりだろう。
最近こんな風に、ゆっくりと向き合えていなかった。
「…ロバートはさ」
「うん?」
「結婚したいと思わなかったの?」
「結婚?」
「うん。
私やマイケルがいたから、出来なかったのかな、なんて…」
「そんな心配してたのか」
ロバートの瞳が、ゆっくりと細められていく。

