私の家の前に着くと、クリスはするりと、繋いだ手をほどいた。
「何だか、あっと言う間だったね」
そう言って笑うけれど、照れ臭くて何となく、クリスの顔が見れない。
「…ん」
小さな返事が聞こえてきて、ようやく私は顔を上げる。
「直接こうやっておやすみって言うの、
何か変なかんじ」
「…だね。
今日は寝れそう?」
「うん、大丈夫。
いっぱい歩いたし」
「そっか。
オレも今日は眠れそう」
「うん、良かった」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
歩き出す背中、背の高い影。
曲がり角で振り返り、小さく手を上げるクリス。
街灯に照らされたその影を、私は見つめていた。
見えなくなるまで、ずっとずっと。
うん、と答えたけれど、ウソだよ。
きっと今夜は、眠れないだろう。
クリスのせいだなんて言えないよ。
今まで何でも話せていたのに。
最近の私はどこかおかしい。
幼なじみ、
小さい頃からの、大切な友達。
大きな秘密が出来てしまった。
こんなにドキドキしてること、
気付かれたらどうしよう――――

