さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*

眩しそうに夕陽を見つめる横顔。






クリスのその白い肌が濃い橙色に染められて、

セピア色のスクリーンの中にいるように見える。










「こういう時ってさ」






「うん」






「…時が止まってくれたらいいのにって思うよね。

夕陽がずっと、沈まなければいいのにって」














135m上から見下ろす、日暮れ時のロンドン。







風に乗って聞こえてくるビッグベンの鐘の音、







諦めた恋と、隣に佇む背の高い幼なじみ。










何となく下ろしていた右手とクリスの左手がぶつかって、







私たちはどちらからともなく手をつないだ。










さらさらとした冷たい手の平から伝わってくる気持ちが、血液のように身体中に巡る。










温かいな、と思った。



クリスの気持ちが、優しかった。










ずっとずっと、夕陽が沈む音を二人で聞いていた。










角膜が焦げるんじゃないかと思うほど、



ずっと夕陽を見ていた。