さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*


「私、チャドのこと本当に大好きだったんだ」






「うん」






「追いかけていけば良かったって、何度も思った」






「うん」






「…後悔してばっかりだよ。

あれもしたかった、これもしたかったって。

あの日笑って別れたのに、バカだよね」










バカだよね。






言ってしまってから、涙が出そうになった。










「…誰だって後悔はするよ、精一杯やったとしてもさ。

こんなに早くいなくなっちゃうなんて、考えもしなかったし」






「うん…」






「でもさ」






「うん…?」






「チャドと来れなかったロンドンが、

一回こうしてオレと来たことで、イメージ変わったろ」






「…うん」






「…カンナの未来は、そんなに大きく変わらないと思う。

あいつがいてもいなくても、ロンドンには何度だって来れるんだし」






「うん…」






「そうやって一つ一つ、塗り替えていけばいいよ」










「うん、今日、来れてよかった。



…連れてきてくれてありがとう。

一人じゃきっと、勇気が出なかった」














ありがとう、と笑いかけると、



クリスの瞳が少しだけ、優しく細められた気がした。