さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*


歩き回って、ランチを食べて、



少しだけ買い物もして、たくさん話して、






何となくぷらぷらと、国会議事堂の近くまで来た。










ダブルデッカーやブラックキャブの行き交う通り。







高い時計塔の鐘の音が、辺りに響いている。










大きいなぁと、しばらく見とれていたかったけれど、そんなことも言っていられない。



この辺りまで来ると流石に、観光客の数も桁外れに多いのだ。










はぐれないように少しだけクリスとの距離を縮めると、シャツや髪の毛からせっけんの香りがした。










夜の公園に二人で行った時も、同じ香りがしていたっけ。



きっと、清潔感の溢れるこの香りが、クリスの匂いなのだろう。










人混みを避けるように大通りを抜けてテムズの川沿いに入ると、



少しだけ西に傾きかけた陽の、濃くなったイエローが広い川面に反射していた。





たくさんの船が行き交う、川面。



憧れていた、テムズ川のクルーズ。






何度も見るチャドとの夢はこの場所がよく舞台になっていた。






二人で来たいねと言っていた。



叶わない春の、約束を交わした日から。