さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*


「…チャドもさ、よく言ってたんだよ。

クリスはみんなの前でも笑えばいいのにって。

クリスの笑顔はすごくいいって」






「あぁ…」






「チャドの前では笑ってたの?」






「…よく分からない。

あいつは物事を全部いい方にとらえるから、

笑ってなくても笑ってるように見えたんじゃないかな」






「あはは、そっか」










「…元気かな」






「ん?」






「あいつ、チャド」






「うん。

多分、元気だよ」










元気だよね、きっと。



私たちもこうして、笑ってられるんだもん。






元気だよ。










「眠くなったら言って。

送るから」






「うん。

今日は何か、いろいろ話したい気分」






「うん」






「…墜落睡眠かな、今日は」






「うんオレも。

昼まで寝てそう」














ジ、ジ、と切ない音を立てる電灯の、ぼんやりとした明かり。





星が見えない空が、やけにリアルに心に迫ってくる夜だった。










時折強く吹く、湿り気を含んだ風も、



隣でぽつぽつと話すクリスの、



うすくてきれいな唇のかたちも。