「明日バイトないし、
オレも多分、眠れないから」
「…いいの?」
「眠くなるまで話してればいいじゃん。
電話だと長くなるし、一人でいるよりずっといい」
「うん」
「じゃ、今から迎え行くから」
「いいよ、一人で行けるよ」
「さすがにこの時間、女一人だとマズいだろ」
「…そっか。
じゃ、準備して待ってるね」
夜にこうして家を抜け出すのは、初めてのことだ。
午前1時を回った時計。
車の全く走らない通り。
少しだけドキドキしながら門の前に立っていると、
暗い通りの向こう側に私服姿のクリスを見つけて、私は駆け出した。

