さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*

あの頃私はロバートのことが大好きで、いつかロバートのお嫁さんになるんだと公言しては、おままごとの花嫁修業に励んでいた。










そんな私に



「おねぇちゃんがロバートとけっこんしたら、

ぼくはどうなるの?」



と、ワンピースの裾をつかみながら不安げに尋ねてくるマイケルと、






「マイケルはじゃあ、

うちの子になればいいよ」



と、さらりと答えるクリスの横顔。










「ぼくの弟になればいい」



と。














ずっと昔、屈託なく笑うクリスの姿をよく見かけていたけれど、



その頃からクリスの笑顔をほとんど見なくなったように思う。






遊んでいても、話していても、



いつもどこかでバリアーをかけられているような気がしていた。










きっと、クリスは寂しかったんだろう。






大切なものを失うことの切なさを、



置いてきぼりになることの虚しさを、



あの頃のクリスは知っていたんだ。










失うくらいなら大切なものなんて抱え込まなければいいんだと、







もう、あんなに小さな頃に。