さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*



「クリスくんだっけ」






「はい?」






「この子、何か悩みがあるみたいだから、

帰りにでも聞いてあげてね」





「ちょ、先生…」










余計なことを、と思ったけれど、クリスは何も言わなかった。



ただじっと保健医の、眼鏡の奥の瞳を見つめているだけだ。









…クリスにはきっとばれてるよ。



何も言わなくても絶対。






勉強についていけないとか、友達と喧嘩したとか、



そんな辺りの悩みなら、この年にもなれば一人で解決出来る。










私が悩むことなんて、一つしかない。



眠れなくなる程の悩みなんて、

この世界で一つしか、ないんだから。