底冷えのする冬の日なんかは、冷えた手の平を両手で包み込んで、その体温で溶かしてくれた。 カンナの手は小さいねなんて、笑いながら。 穏やかで緩やかで柔らかな、そんな日々。 春に咲く花を揺らす風のような、優しい日々。 チャド以上に失いたくないものなんて、私にはなかったような気がする。 隣にただいてくれるだけで、世界中の何もかもから守られているような気さえしていた。