さよならの見つけ方 第2章 *絶対温度*


机の中で見つけたガラス玉のネックレスを、小箱に入れて奥へとしまい込んだ。







12才の誕生日、



星の回る部屋でチャドがくれた、想い出の。










チャドの時間に合わせていた時計を、イギリスの私たちの時間に戻した。



自分の時間をこれから、取り戻していこうと思って。







私の日常に自然に溶け込んでいた、白い小さな置き時計。












チャドなら、何て言うだろう。






きっと彼なら、手放しで祝福してくれるんだろう。



いつだって私の話を、笑って聞いてくれていたチャド。










幸せになってね、なんて言いながら、



相変わらず日向のような、穏やかなあの笑顔で。














「寝れそう?」






「うん。大丈夫」






「そっか」






「……」






「……」






「なんか、

クリスからこんなに早い時間に電話がかかってくるのって、珍しいよね」










照れ臭くてえへへと笑うと、少しだけ緊張した。










「うん、

ただ、声が聞きたくて」










受話器ごしに伝わるクリスの想いが、私の耳を通じて心へとまっすぐ入り込んでくる。






何かを言おうとしたけれど、うまく言葉が出て来なかった。