夏祭りの日から

特に何も起こらず

時は流れ、お盆がやってきた。


毎年この時期は

家族で祖父母の家へ

行くことになっている。


私は毎年この時を楽しみにしている。


もちろん、今年も

楽しみだった。


そんな、私の気持ちを

打ち消すような言葉を

母は言った。


「瑞穂は蓮君と留守番ね」


「えっ」


時間が一瞬止まったかのように感じた。


実際は0,何秒も止まらなかったが。


「留守番?

 おばあちゃんとこ

 行けないの!?」


「ごめん、瑞穂。

 蓮君連れて行くわけにも

 いかないし、

 一人じゃ寂しいかなと」


お盆初日の朝のことだった。