今日から君の許嫁!!



放課後。

「蓮、帰ろう」と声をかけそうになって思いとどまる。
そうだ、サラちゃんと帰ったんだ。誰もいない蓮の机が現実をつきつける。

もう、蓮なんか知らない。

踵を返し、教室の外に走り出す。

前を見ていなかったせいで、ドアのところで誰かにぶつかった。

「ごめんなさい」と謝って足を進めようとする。

今すぐ家に帰りたかった。

「待って」と腕を掴まれる。

私、急いでるのに。

そう思って振り返る。鎌田くんだった。

「藤野さん、俺のところに来なよ」

掴まれた腕を引っ張られて、気づくと鎌田くんの腕の中にいた。

抱きしめられてる。

鎌田くんの温もりになぜか胸が苦しくなった。

「諦めるって言ったけどさ、泣いてる藤野さん見たらほっとけないよ」

泣いてる、私が。

そう言われて頬に涙がつたっていることに気が付いた。
涙をぬぐおうとしたのに、止まらなかった。