今日から君の許嫁!!

少しの沈黙の後、鎌田くんが言った。

「なんてね、ごめん。困らせるようなこと言って」

「え、うん」

全然、困ってない。むしろ、私が鎌田くんを困らせているし、振り回している気がする。謝らないといけないのは私の方。鎌田くん優しすぎるよ。

「けど、言ったことは本当だよ。俺……藤野さんのこと好きだから」

正真正銘の告白だった。真っ直ぐな言葉だった。この間は蓮の邪魔が入ってちゃんと聞くことができなかった。けど、本当は最後まで聞くべきだった。

今初めてわかった。鎌田くんの想いが真っ直ぐに伝わってきた。今日、ちゃんと最後まで聞くことができてよかった。

「ありがとう」

これ以上もこれ以下も言えない。何を言えばいいのか、何て言えばいいのかわからなかった。だって、私には鎌田くんの気持ちに答えることができない。

こんな爽やかイケメンに告白されて思ったより戸惑っていないのは文化祭での告白未遂があったから。あれがなかったら今、一言も言えなかった。

「どういたしまして」

肩の荷が下りたように、ほっとした表情。それでいて私に向けてくる笑顔はとても優しくて。女神いや、イケメンの神だ。ありがとうございます。

こんな風にイケメンに笑いかけられたら好きになっちゃうんだろうなあ。実際「こんな」状況にいるんだけど。

鎌田くんはこれ以上何も言ってこなかった。「付き合って」と、言われるかと思ったのに。

蓮に邪魔されたことを考えると、二人きりの今言ってくると思っていた。言われたら言われたで返事に困るのだけど。