「明日着ていく服の意見をもらおうと思って」
私はそう言ってドアから出て、じゃーんと腕を開いた。

白のブラウスにデニムのジャンパースカートだ。正直、デート服なんてわからないけど、可愛かったらそれでいいと思っている。

だけど、さっかく家に男の子がいるから聞かない意外の選択はないよね。手持ちの駒は全て使うスタンスだ。デートなんだから男の子の意見も聞いた方がいいしね。

「どうかな」沈黙が怖くてそう聞くとすぐに「可愛い、似合ってる」と蓮が言った。

いつものノリでありがとうございます。

おいで、というように蓮が手招きするから私は蓮の隣に座った。

「けど、これ、あいつのためなんだよね」

ん?鎌田くん?まぁ。確かにそうかもしれないけど。

「俺のためだったらよかったのに」

憂いを含んだ切なそうな声が聞こえた。
こんな声は聞いたことがなかった。

「ごめんね。私のわがままで付き合わせちゃって」

やっぱり、嫌だよね。申し訳ないことしちゃったな。
蓮なら私の頼みを断らないと思って甘えていたのかもしれない。