美華とふたりで球技大会の話で盛り上がっていると、周りの声が耳に入ってくる。
「黒河くんは、何出るの~?」
「去年と同じサッカー?」
キャピキャピと女子の声が響く。
「ねえ、梓って去年サッカー出てたの?」
不意に美華に聞いてみる。
「そうだよ~!すごい活躍で外はすごい盛り上がりだったよ!」
そうなんだ。
私は中競技だったから、外の光景は見なかったし。
いつでもアイツは注目の的ってわけだ。
「今年俺、バスケにしようと思ってるんだよね。」
と、女子に答えた黒河。
ば、バスケ?
「え?黒河くんバスケできるの?」
「運動神経抜群じゃん!」
たしか去年は、バスケは競技になかったんだ。
バスケの代わりにバドミントンを行っていた。
今年は新しくバスケになって、それに梓が出場??
アイツがバスケしてる姿を想像すると、似合いすぎてて嫌だ。
あの長身で、自信満々にバスケに出場するって言ってるからには、下手なわけがない。
なんでもできるのね。
羨ましいわ。
「相変わらず盛り上がってんね。」
ヤレヤレといった感じで美華は言う。
まあね、運動できる男子はモテるからね~。
みんな、梓に近づきたくて仕方ないんでしょう。