自分でもなんでオーケーしたのかわからない。
だけど、二人で勉強していたあの空間は嫌ではなくて。
心のどこかで、楽しいって思ってた。
認めたくない。
だって、大嫌いなあいつだよ?
どうせこのあとだってどこかで女が待ってるの。
寄ってくる女の子なら誰だって受け入れて。
気持ちもないのに体ばっかり重ねてるようなやつだよ?
でも何でかな。
普通に話してた今までの時間は、とても居心地が良かった。
「ありがとな。わがまま聞いてくれて。」
ポンポンと、私の頭に手を置く梓。
.....嫌だ。
そう思ったのは、今までみたいに梓のことが嫌いだからじゃない。
頭に手を置かれて、心が温かくなってしまったから。
振り払うのが普通なのに。
ちょっと触れただけで、あんたの言うとおりになんてならないんだからねって。
いつもだったらそう言えるのに。
なんで今は言えないの。
なんで心の奥のほうで、その手のぬくもりが心地いいと思ってるの?
「か、帰ろう。」
このままだと、頭がパンクしてしまう。
そう察した私は、そそくさと図書室を後にした。
今は落ち着いてるから。
気が落ち着いてるから、イライラしないだけ。
ただ、それだけ。
そう自分の心に言い聞かせながら学校の廊下を歩く。
悩まないって決めたのに。
考えないって決めたのに。
なんで消えてくれないの。
なんでずっとついてくる!!
それもこれも梓とずっと関わりが続いているからなんだろうけど。
どうやってもその関わりはなくなりそうにないし。

