自分が嫌いだと思ってる人と勉強してるなんてこと忘れて、勉強に打ち込んだ。
「これをこうすると、できるだろ?」
「あ!本当だ!できた!」
今までどう頑張ってもできなかった問題が、不思議と梓に教えてもらうとできちゃったり。
問題が解けたことがうれしくて、テキストから目を離し梓のほうを向くと、なぜか頬を赤らめながら、私のことを見つめる梓。
「え、ど、どうしたの....?」
「え、あ、いや、なんでもねーよ!」
フイッと顔をそむける。
......変な奴。
まあ、いつもだけど。
それから一時間半。
お互い勉強を進めた。
図書室の窓から差し込む日もオレンジ色に変わり始めた。
「そろそろ帰るか。」
キリがついたところで勉強道具をカバンにしまう。
「ありがとな!すげー分かりやすかったから、勉強もはかどったわ。」
「こちらこそ!」
私も、わからない問題を梓に聞いてそれが解けて。
普段はイライラしかしてないけど、今回だけはちょっと見直した。
ちゃんと、いいところもあるじゃんって。
そういういいところを前面に出せばいいのにな、って思うけど。
「なあ。」
「ん?」
カバンの整理をしながら、梓に声をかけられる。
「ひとつ、俺のお願い聞いて。」
「....要件による。」
そんな何でもかんでも、お願い聞きますって言えるほど、心優しい人間ではない、私は。
どんなお願い事を言われるのかすらわからないし。

