そんなねえ、顔がイケてる男に媚び売ってるほど暇じゃないし、飢えてないんで。
「ふっ、おもしれー。」
何が面白いのか、理解できない。
再び、さっき座ってた椅子に戻った梓。
この短時間で、結構疲れる。
気が張るというか、一気に心拍数とか上がるし....
何をされるか分からないから。
頭でぐるぐる考えちゃうし。
椅子に戻った梓はカバンからゴソゴソ何かを漁っている。
「ど、どうかしたの?」
「ん?勉強、すんだろ?」
え.....
いきなりの言葉に、動揺が隠せない。
さっきまでそんな空気じゃなかったのに。
急にまじめなこと言いだして。
「梓って、勉強とかするんだ....」
「ボチボチな。でも今は、香澄に付き合うんだよ。」
「え?」
「昨日も勉強するためにここいたんだろ?でも俺が邪魔したからさ。
それに、ひとりよりふたりの方がはかどるだろ?」
ああ。
たまにわからなくなる。
彼のやさしさに、惑わされる。
それは普段が最悪だから、特に引き立つんだろうけど。
それでも、ちょっと感心してしまったり。

