なんで私はこんなやつの手でコロコロ転がされないといけないわけ?
「女子の中では背は大きい方だけど、俺の腕の中にちゃんとすっぽり収まるね。」
もう、なんて言葉を発すればいいのかわかんなくなってきた。
頭が回らない。
「あの、そろそろ離してください。」
敵意むき出しで相手しても今は意味が無いと考えた私は、冷静にそう伝えた。
「逃げないって約束するなら、離してあげてもいいよ?」
そうなりますよね。
本当なら、すぐにでもコイツの目の前からいなくなりたいけど。
「.......わかった。約束する。」
このまま、抱きしめられたままなんてもっと考えられない。
ここは大人しく言うことを聞くしかない。
変に暴れて、キスでもされたらたまったもんじゃないし。
「とりあえず、机行こうか。」
梓に連れられて、昨日座ってたところにふたりで腰かけた。
特に勉強道具を出すわけでもなく、卒業式並みにいい姿勢で椅子に腰を掛ける。
「んな、警戒すんなって。何もしねーよ。」
いや、してるけどね?
すでに、手出されたけどね?
とてつもなく、信用できない言葉だ。
「あの、さ....」
「んー?」
「なんで私なの?」
ずっと、気になって仕方なかった。
なんでそんな私にちょっかい出してくるのか。

