なんか、心臓の病気にでもなったのかな?




今までこんなにドキドキしたことなんてなかったのに。




誰か、このうるさい心臓の音を止めてくれ。






***





「ここ、テストに出るからチェックしておけよ~!」




憂鬱な時期がやってきました。




そろそろ一学期の中間テスト。





授業内容はテストのことばかり。




まじめな子は休み時間も使って勉強を始めている。





「あー....テストなんてなくならないかな。」




あの緊張感に満ち溢れた空気が嫌いで仕方ない。





テストをするなんて決めた人を憎みたい。




そのテストの出来具合で、成績を決められるなんて。





「そんなこと言いながら、案外勉強してるよね、香澄。」




「適当にね。赤点だけは取らないように。」





赤点とって、追試とか進級に影響が出るとか、そうなったらそれはそれで面倒だし。




それなりに点数採っておけば、何とかなるかな?なんて。






我ながら適当な人間だな、と思う。




テストまで約2週間。




そろそろ追い込みをはじめないと、か。




1年の時から、テストが近づくと決まって図書室に行ってひとりで勉強をしている。




美華はそういうの面倒くさがるから、付き合ってくれないけど。





でもそれなりに成績のいい美華は家で頑張ってるんだろうなって思う。





家で勉強すると、テレビとかお菓子とか誘惑がありすぎて勉強がはかどらない。