い........今.........ほ、ほほ、ほっぺに.........
「くくくっ、ゆでダコみてーに顔真っ赤。」
おかしそうに笑う目の前の男を、殴ってやりたい。
笑いごとじゃないわよ!!
「な、ななな、何してんのっ!!」
「んな、動揺すんなよ、たかがほっぺにチューしたくらいで。」
たかが?
ほっぺにチューしただけ!?
ふざけてるのか、こいつは!!
「でもまあ、そうやって初で純粋なところが可愛いんだけど。」
ああ、もう恥ずかしい。
こんなことになるんだったら無理矢理にでも、恋愛のひとつやふたつ経験しておくんだった。
そしたらこいつにここまでバカにされなくてすんだのに!
「俺のことさ、名前で呼んでよ。」
「呼んでんじゃん、黒河って。」
たまに、あんた、とか呼んじゃうけど。
ていうか、いきなりなに!
「じゃなくて、梓って呼んでほしいわけ。」
うん。ちょっと理解出来ないかな?
「呼ぶ理由がわかんない。」
なんでわざわざ、下の名前で呼ばなきゃいけないの。
あんたのことをなんて呼ぼうが私の勝手じゃん。
そんなことまであんたに指示されなくちゃいけない理由がわかりません。
「俺が呼ばれたいと思ったから。」
「却下。」
「無理。」
いやいや、無理とかないから!
私が嫌だって言ってんじゃん。

