さっきから、心臓がうるさい。
ドキドキしたってムダなのに。
なんでこんなに自分をコントロール出来ない!
こんなやつ、ビンタして引き離して走りさればいいのに。
なんで言葉が出ないの。
体に力が入らない。
このまま、私を見据える黒河の瞳に吸い込まれてしまいそう。
「わ、たしは、誰のものにも、ならない........っ........」
「そう言ってられるのも、今だけかもよ?」
挑発するように、にやっと笑う。
そんなことない。
絶対ない。
悔しいけどきっと、私はこれから先もずっと誰かの彼女になることなんてない。
内心、それも人生だって割り切ってるし。
「俺が教えてやるよ?恋の仕方。」
「.......いい.......」
「さっきみたいなハグも、キスの仕方も.......こと細かく、全部.......」
そういうと、私の顎を持ち上げ私の唇をなぞる。
ど、どうしよう。
ここまできてしまったらもう、このまま流されてもいいかも、なんて思ってしまうほど、思考回路がストップしてる。
「俺に、染まってみる?」
「え、遠慮、しときます.........」
「拒否権ないけどな。」
そういうと、
───ちゅ
「なっ!?」
私の頬に軽くキスを降らせた。

