【完】恋なんてするものか!







黒河が謝ることは、何もない。





わざわざ探しにきて、助けてくれた。






「一緒に遊ぶ予定だった女の子は、いいの?」






「なんか、香澄が困ってるかもしれないって思ったら、そいつのことなんかどうでもよくなった。」






「そ、っか.......」





なんか、複雑な心境だ。





ずっと、大嫌いで。





こんなやつと一生関わりたくないって、本気で思ってて。






なのに、今こうやって助けてくれて。





一緒にいた子より私を優先してくれて。





だけどそれは、私じゃなくても同じことで。





ほかの女の子でも、同じことするんだろうな、て思ったら、何となくもやもやして。






「お前も案外、可愛いところあるんだな。」





「何がよ。」





「こうやって、男に抱かれて涙流すところとか。」





「あ、あんたが勝手に抱きしめてきたんでしょ!」





べ、別に私は泣きたいなんて言ってないし?






黒河があんなことして、あんなこと言わなきゃ、涙だって我慢できたし?





なのにあんたが私の涙腺を緩めるようなこと言うから。






だ、だから、その優しさを無駄にしないように泣いただけよ!





「べ、別に、泣きたくなんてなかったから!」





抱きしめてくれていた体を引き剥がした。





もーう、調子狂う!





考えはまとまらないし、胸はうるさいし、こいつの胸で、泣いてしまったし........





人前で泣くなんて、滅多にないし、男子の前泣いたことなんてもっとないのに!