「お前らさ、バカなわけ?」
「ああ?」
「たとえ俺がこいつに本気じゃなくても、数人でよってたかって、こいつが嫌がってることしてること自体、間違ってるってわかんないわけ?」
と、淡々という黒河。
正論を言われ、言葉が出なくなった4人。
「そんな、小学生でも分かるようなことが分からねーとか、バカにもほどがあんだろ。」
ふっ、と鼻で笑い、バカにしたように言う。
言葉が出ないことに、悔しそうな表情をしている4人の男子生徒。
「わっ......!」
「でも、まあ、俺こいつと本気だからさ。」
そう言うと、私の体を自分の体に引き寄せた黒河。
こんな状況で不謹慎かもしれないけど、いきなりの出来事にドキドキと胸がうるさくなる。
「だから........次、なんかしたら、ただじゃおかねーよ?」
と、ドスの効いた低い声で言った。
そして4人の男子生徒は、舌打ちをして悔しそうにその場を去っていった。
た、助かった........
「お、おい、大丈夫か?」
私はへなへなと、力が抜けたようにその場に座り込んだ。
どうなるかと思った。
「な、なんで、ここに.......っ......」
こんな路地裏、誰もこないはずなのに。
なんで黒河がここに......??
「いやあー、女の子と遊んでたら、香澄があいつらといるとこが、チラッと見えてさ。最初は気にしないでいたんだけど、やっぱ心配だったから探しにきた。」
「そ、うだったんだ........」
「最初はただの男友達かと思ってたけど、よくよく思い出してみたら、何となく香澄が嫌そうにしてた感じして。」
とりあえず、黒河がきてくれて助かった。

