「おいー、怒らせてんじゃーん!」
なんて、ゲラゲラ笑う4人。
「用事がないなら、帰ります。」
そう言って歩きだそうとしたけど、
「おっと、帰ってもらっちゃ困るな。」
と、肩を組まれた。
体がでかいこともあり、私ひとりの力じゃ勝てそうにない。
「何ですか?助け呼びますよ?」
こんなところで負けたらダメだ。
弱いところを見せたら、相手の思うつぼ。
平常心。
「ちょっと話があるからさ、ついてきてほしいだけなんだけど?」
「ここで話せばよくないですか?」
「堅いこと言わずにさ、いいじゃん。」
........しつこい、ほんと。
帰らせろって言ってんだろ。
「離せっ!」
「はいはい、大声出さないの。行くよ~。」
「んんっ~~!!」
肩を組まれた男子生徒に口を塞がれ、そのまま連れ去られる。
だ、誰か........っ!!
連れてこられたのは人気のない路地裏。
薄暗くて、気味が悪い。
「もうっ!何なのよ!」
壁に押し付けられ、腕を固定される。
「ねえ、あの黒河梓とヤッたの?」
「はあ?んなわけないだろ!」
「でもさー、学校のみーんな噂してるぜ?」
勝手な憶測でしかないじゃん、あんなの!
噂なんて、事実が事実じゃないかわかんない!
勝手にそれを信じてんのはあんたらでしょ!
「あんな噂、間に受けるなんて、単純だね。」
目の前にいる男子生徒を睨みつけながら、挑発するようにいう。
私の言葉がカンに障ったのか男子生徒の顔から穏やかさが一気になくなった。

