次の日、案の定私と黒河の噂がちらほら広がっていた。
そこまで大きくなくてよかったけど。
『とうとう黒河が遠藤に手を出した。』
『学園のツートップが繋がった。』
そんなことを口にする人がいた。
いや、事実は違うけどね?
繋がってないし、手も出されてないからね?
そう弁解したいけど、する方法もないし。
まあ、噂もどうせ少ししたら落ち着くだろうし。
だけど、事件は起きてしまった。
それは、昨日の出来事がすべての原因かどうかは不明だけど........
事件が起きたのは、放課後。
「また明日ね!」
「うん、気をつけて帰ってね!」
校門で美華とわかれた。
いつも通り、イヤホンをして歩く。
家まで残り5分ほどのところにきたとき。
───トントン
不意に肩を叩かれた。
後ろを振り返ると、
「........っ、誰ですか?」
そこには、私の高校の制服を着た男子生徒が4人ほど。
チャラチャラした見た目。
そして4人ともがたいがいい。
その人たちが放つオーラから、決していいことが起こるとは思えなかった。
自然と顔がひきつる。
「遠藤香澄ちゃん、だよね?」
「.....だから、誰だって聞いてんの。」
家まであと少しなのに。
すぐつきそうなのに。
厄介なことになりそうだ。