「いーから。女子ひとりで帰らせられるわけないだろ。」
「...」
な、なによ。
バカにしたり、優しくしたり。
黒河といると、調子が狂う。
「じゃあ、俺が美華ちゃん送ってくわ。」
「え、私はすぐそこだから......」
「こういう時は、男に甘えときな?」
「ちょっと!美華に手出したらたたじゃおかないからね?」
「ふはっ!梓じゃねーから、それはないよ。安心して!」
な、ならいいけど.......
美華は本当に可愛いから。
変な男の餌食になりやすい。
「じゃあ美華、また明日ね!」
「うん!ばいばーい!」
美華に手を振り、来た道を戻る。
「.......ていうか、本当に送らなくていいんだけど。」
隣を歩く黒河。
本気で家まで送るつもりなの?
「さっきのお詫びでもあるから。」
「お詫びとかいらないから!普通に音楽聴いて帰るし。」
「黙って歩け。」
.........ウザっ。
なんで命令されなきゃいけないの!
私はあんたの何なの。
「香澄って、身長いくつ?」
「え?えっと.......169くらいかな?」
「へー、それでも20cmくらい違うのか。」
そ、そういえば、黒河は身長が高い。
初めて姿を見た時に、低くはないと思ってたけど。
改めて横で歩くと、高いな。
高身長のせいで、普通に私より身長低い人とかいたし。
「189くらい?」
「そうそう!」
他愛のない会話が続く。
普通に話せば、こうやって話続くんだな。
いつもバカにされて、からかわれて、イライラしかしてなかったから。
なんかこうやって会話が成り立ってるのって、話し始めてから初めてかも。

