【完】恋なんてするものか!





蒼介くんの方が、新しい土地で、新しい学校で、新しい生活をするんだもん。



もっと不安なのに。



「ぅぅぅぅっ......」




「よしよし。思う存分泣いていいよ。」




わんわんと泣きじゃくる私を、泣き止むまでずっと抱きしめて、頭を撫でてくれていた蒼介くん。




今日で会えなくなる訳でもないのに。



こんなに泣いてバカみたいだな....




「ちょっと、落ち着いた?」




「っ.....うんっ.....ごめん.....」



「はははっ!なんで謝るんだよ!」




「だって.....っ、これっきり会えなくなる訳でもないのに.....っ....こんなに泣いて.....」




そういう私に、優しく微笑みかけた蒼介くんは、




「ううん、すごい嬉しかったよ。」



と、言ってくれた。