生徒はもうほぼ外に行ったのか、校舎の中はシーンとしていた。
そんな静かな校内の廊下を二人並んで歩くのは、私と蒼介くん。
「あー、もう卒業かー!!」
と、名残惜しそうに言う蒼介くん。
こうやって、ふたり制服を着て並んで歩くのも今日が最後か....
そう思うと、なんだか急に寂しくなってきた...
「美華?」
さっきから寂しさであまり話さない私を心配してくれたのか、不思議そうに私の顔を覗き込んできた蒼介くん。
目の前に来た蒼介くんの顔。
「ぅぅ......」
顔を見たら、もう涙が止まらなくなってた。
「え!?ど、どうしたの!!」
と、焦り出した蒼介くんはポケットからハンカチを取りだし流れる私の涙を吹いてくれた。
そんな蒼介くんの優しさに触れる度、今までみたいにすぐ会えなくなる寂しさはどんどん大きくなって、涙が止まらない。

