は？風の噂？
「何のことだよ。」
「普段は男勝りでサバサバしてるけど、男相手じゃ大人しい、って。」
ドクッと、胸が嫌な波を打った。
んだよ.....それ。
「てめー.....何したんだよ。」
「ふっ.....“まだ”なにも手出てないけど。梓くんが私に逆らうなら、これから先彼女にどんなことが待ち受けてるかしら？」
宮本が見せる不敵な笑みは、本当にこのあと何かが起こりそうで。
「おい、香澄に何かしたら許さねーぞ？」
「なら、話は簡単じゃない？」
「は？」
「私と、ベストカップルコンテストに出る。それだけしてくれたら、もう、手は出さないわ。」
何を考えてんだよ。
俺が宮本とベストカップルコンテストに出たところで、お互いメリットないだろ？
「そんなことしてなにになるんだよ。」
「いーでしょ？その時くらいさ、みんなの前で梓くんの隣を独占してても！」
「断る。」
「そんなこと言っていいの？私の言うこと聞かないと、香澄ちゃんだっけ？どうなるかわかんないよ？」
「お前......」
「どうする？ここで断って香澄ちゃんのこと、危険にさらすのか。それとも私とベストカップルコンテストに出て香澄ちゃんと私を遠ざけるのか。」
