「急に素直だと、逆に気持ち悪いな(笑)」




「はあっ!?なによ!人がせっかく感謝の気持ちを伝えてるっていうのに!!」



ホントにこいつは、空気読めないバカ野郎だ!!




気持ち悪いだなんて失礼な!!!



素直に気持ち伝えた彼女に言うセリフじゃないでしょ!絶対に!!!




「ウソだよ!そんな怒るなよ~!いきなりそんなこと言うから照れたんだって!!言わせんなよ!」




「あー!もう知らない!梓なんて知らなーい!」



ふん!と、梓に背を向ける。




「香澄!!」




「梓のこと、好きになってよかったって思ったのに!!」




「悪かったって!俺も、香澄のこと好きになってよかったって思ってるし、俺のこと好きになってくれたこと、後悔させないようにって本気で思ってるから!」




「もーーーーーうっ、二度と恋なんてするものか!!!」




「香澄、こっち向いて?」




無理矢理、体を梓の方に向けられる。



梓と向き合うとバチッと目が合った。




「これから先、恋なんて、するものか......梓以外の人に......」




「......何その可愛いセリフ。もしかして、誘ってる?」



不意に出てしまった言葉に、まずいと思った時にはもう遅かった。




「さっきしたばっかなのに、大胆だね香澄は。」




「んっ....だ、だめっ.....」




「俺も、これから先死ぬまで、香澄以外のやつに恋なんてしねーよ。」




これが、最初で最後の恋になりますように───...








恋なんてするものか!



fin.