【完】恋なんてするものか!





よく心臓が壊れないな、と思うくらい。



「俺も。香澄が可愛くて、すげードキドキしてる。」




「ふふっ、いつも余裕たっぷりなのに。」




「余裕ねーとこなんて、カッコ悪すぎて見せたくない。」



だからこそ、こうやって弱いところ見せてくれた時。凄く嬉しいなって思うの。




私と同じなんだって思うから。



弱ってるとこがちょっと可愛いなって。




「香澄......好き。」




そう、とびきりの甘い声で言うと、私の唇にキスを落とした。




「あ、ずさ.....好き.....っ....」




なにも分からないまま。




だけど、今まで感じたことのない幸せを心と体、全部で感じながら。




私は梓とひとつになった────........




***




「大丈夫?」




「ん......」




「すげー、可愛かった。」




「......やめて。何も言わないで。おねがい。」




さっきまでの事を思い出して、一気に恥ずかしさが.....



だめだめ。




思い出したらダメ。



「必死な香澄ちゃんもかわいー。」



なによ!!



自分は少し慣れてるからって人の事からかって!