【完】恋なんてするものか!





「大丈夫。優しくする。大切にするから.....」



と、頭を撫でる。




絡み合う視線に、胸がドキッと高鳴る。




「......ょ.....」




「ん?」




「.....だ、だから.....梓、なら....いい、ょ......」




恥ずかしくて、目を逸らす。



怖くないって言ったら嘘になるし。



心臓飛び出そうだし。なんかもう自分で自分がよくわからなくなってるけど。




だけど。



相手が梓なら。




「ねぇ。可愛すぎ。」



恥ずかしくてそっぽ向いたのに、わざわざ自分の方に顔を向けさせる。




その目に見つめられたら.....どうにかなってしまいそうだから。



こんなドキドキしたこと、今までないくらい心臓が速く動くから。




「そんな可愛いこと言うと、余裕なくなるよ?」




可愛いこと言ってるつもりないんだけど.....



思ったこと、言っただけで。




「ドキドキしすぎて、心臓がどうにかなりそう....」





私を見下ろす梓の視線。



顔にかかる息。



梓の匂い。体温。声。




全てが私の胸を高鳴らせていて。