【完】恋なんてするものか!






「反応、かわいー。」




「か、からかわないでよぉ.....」




「こんな可愛い香澄の姿見られるのも俺だけ.....もっと見せて?」




「や、もぅ、無理だって.....」



こんな甘い空気に、平常心でいられるわけもなく。




クラクラ、フワフワ。



体の力も徐々に抜けてく。




「俺に、全部くれる?」




「だ、だから.....まだダメだってば.....」




「そうやって、ずっと俺から逃げてきたじゃん。」




「うっ.....」



図星をつかれて言葉を失う。



ま、まあ確かに.....




自分に都合悪い時は逃げてたかもしれない.....



けど!!




無理なものは無理だもん!!



そんなすぐにホイホイとなんでも許せるわけないし。




こ、これでも恋愛初心者だし....



手を繋ぐのだって、抱きしめられるのだって、キスだって、そ、それ以上だって.....




初めてだもん。緊張するし、ストップかけるのも当たり前でしょ....




「もう、今日は逃がさねぇ。」



獲物をとらえたような鋭い視線。



でも、強いけど優しくて艶っぽい。




そんな目線に、全てを許してもいいような気分になってくる。




でもそれは、私が心から梓のことが好きで、梓を信じているからであって。