どうせ、明日学校に行けば、また新しい噂が流れてるんだろうな。
「てか!そろそろ離しなさいよ!!」
ボーッと色々考えていたら、あっという間に校門も見えなくなっていて。
だけど相変わらず肩に回された手。
私は思い切り振り払った。
「ていうかさ!なんで私を巻き込むのよ!」
さっきなんて、私全く関係なかったじゃん!
自分の力でどうにかすればよかったのにさ!
どうせ自分のせいでああなったんだから!
「まじ、さっきは助かった。ありがと。」
「........え.......」
思いのほか素直に感謝の気持ちをかけられ、口が開いてしまった。
どうせまた、嫌味言われて、言い合いになるんだろうなって思ってたから。
「お前、ほんとそろそろ落ち着いたら?ごめんね、巻き込んで。」
と、黒河に説教をしてから私たちに謝ってきてくれた。
「余計なお世話だっつーの。」
ブツブツと、黒河は言ってるし。
「俺、同じクラスの矢島裕貴(やじま ゆうき)。コイツとは中学からの仲。」
と、自己紹介をしてきた矢島くん。
それにつられて私と美華も挨拶をした。
まだ、同じクラスになってから日が浅いから、顔は見たことあっても、名前がわからない。
矢島くんは、私のことは知ってたらしいけど。
まあ、そう言われても納得しちゃうけどね。

