ふたりの会話を苦笑いしながら見ることしかできなかった。
「いーなー!香澄ちゃん、愛され者で~!!」
「ホントだよ!うらやましいぞー、このこの!」
「あれ、美華。俺の愛じゃ不満?」
「ううん!私はそうちゃんの愛をたーっぷりもらってるから!!」
「もう、見てるこっちが幸せな気分になるよ!」
なんて、本当にいい子な凛ちゃん。
凛ちゃんも絶対幸せになって欲しいし、いい人が現れると思う。
むしろ、いい人じゃなきゃ私がぶっ飛ばすけどね。
そのあと、私たちは各々で文化祭を心から楽しんだ。
高校生活最後の文化祭。
色んなことがあったけど、一生、忘れることが出来ない文化祭になったと思う。
本当に、かけがえのない時間だった。
この人たちは、なにがあっても、ずっと一緒にいたいと思った。
***
「ちょ、ホント、まじでまって!」
「無理....これ以上待てない。どれだけ待ったと思ってんの?」
「いやいや、ほんとに無理だって!」
「こっちが無理だって。」
目の前にある梓の顔。
その後ろに見えるのは天井。
私の上に、梓が馬乗りになってる状態。

