話の内容からわかるのは、黒河をめぐってなにやら言い争いをしているってこと。
黒河の隣にはもうひとり、多分同じクラスの子であろう男子生徒がたっていて。
この状況に困惑の表情を浮かべていた。
「あんたみたいなブスと梓が遊ぶわけないじゃん!」
「はあ?あんたに言われたくないわよ!」
女子生徒の言い争いはヒートアップ。
声を上げている。
こんな学校のど真ん中でなにやってんのよ、みっともない。
まあ、それもこれも全部、黒河のせいだと思うけどね。
あいつがちゃんと恋愛してればこんなことにはならなかったと思うし。
私にはどうでもいいことだけどね。
「放っておこ!行こ?」
美華の手を取って歩き出した。
勝手にやってて。
言い争っているその場を通り過ぎようとしたその時だった。
「あー、俺今日先客いたわ。」
そんな声が聞こえたかと思えば、不意に肩に回された手。
まさかと思って、隣を見ると。
「........なんのつもり?」
肩に手を回していたのは紛れもなく黒河で。
これでもかというほど、睨みつけた。
「ま、まさか、あの遠藤香澄と?」
「う、嘘でしょ?」
周りがざわざわうるさくなる。
.........本当に、最悪だ。
「だーかーらー、ふたりともゴメンね?」
と、謝ると、「おい、行くぞ。」
と、男子友達と美華を連れ私の方に手を回したまま校門をあとにした。
後ろからひそひそと声が聞こえる。

